初めての予防接種の方へ

初めての予防接種に受診されるご家族へ
生後2か月を過ぎると、定期接種(公費負担のため無料)であるヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・B型肝炎ワクチン・4種混合、ロタウイルスワクチンから予防接種が始まります。 その種類の多さと接種間隔の複雑さに悩まれているご家族も多いと思います。
当院では定期接種の接種漏れがないように、日本小児科学会の推奨に準じて標準的な接種スケジュールを作成していますので安心して受診して下さい。
予防接種スケジュールに関して
当院では、主に以下の2パターンの接種スケジュールをご用意しています。
(ご希望に応じて、他のスケジュールでも接種可能です)
時間の余裕がある方は、受診までにご希望の接種スケジュールを少し検討してみて下さい。
なおご不明な点等は当日スタッフが相談させて頂きますので、安心して受診して下さい。
同時接種が多く受診回数が少ないパターン(通院回数が少ない方がいい人にお勧め)
同時接種が少なく受診回数が多いパターン(同時接種の本数が少なめがいい人にお勧め)
同時接種に関して
日本の赤ちゃんが1歳までに接種可能な主なワクチンは6~7種類あり、総接種回数は15回以上になります。もともと種類や回数が多い上に、各ワクチンには3~4週間以上あけるなど決められた接種間隔があり、その間に発熱を繰り返して次のワクチンがなかなか接種できなくなることも少なくありません。
そこで有効なのが同時接種であり、日本小児科学会も推奨しています。同時接種は必要な免疫をできるだけ早くつけて子どもを守るために重要なのはもちろん、通院回数を減らし保護者の負担を減らすこともできます。また予防接種スケジュールが単純になり、接種忘れが減る(接種率があがる)という意味でも非常に重要です。
当院でも同時接種を推奨していますが、ご希望に応じて接種本数を抑えたスケジュールも用意しています。どうぞお気軽にご相談下さい。
それぞれのワクチンのについて

各ワクチンで防げる病気や効果、副反応などに関しては下記のワクチン名をそれぞれクリックしてご確認ください。日本小児科学会作成の「知っておきたいワクチン情報」がご覧になれます。ご不明な点は当院までお問い合わせ下さい。

ヒブワクチン
肺炎球菌ワクチン
B型肝炎
4種混合ワクチン
ロタウイルスワクチン
BCG

ロタウイルス胃腸炎とは
どんな病気?

ロタウイルスは乳幼児に多く起こる感染性胃腸炎(=嘔吐下痢症)の原因となるウイルスの1つです。毎年冬から初春にかけてロタウイルスによる感染性胃腸炎の流行がみられ、感染すると2~4日の潜伏期間を経て発症します。嘔吐や水のような下痢を繰り返すのが特徴的な症状で、発熱を伴うことも多く見られます。特に生後6か月から2歳くらいまでの乳幼児は特に重症化しやすいので注意が必要です。重症になると、嘔吐と下痢により体内の水分が失われ脱水になったり、けいれんや脳症などの合併症が起こることがあります。ロタウイルスは感染力が強いため、子供たちの間で容易に感染します。ロタウイルスを治療する薬剤はなく、対症療法(症状を和らげる治療)しかないため、ワクチンによる感染予防が重要です。

重症になると?
脱水症がひどくなると点滴や入院治療が必要になりますが、最重症では死亡するケースもあります。日本で毎年80万人が外来を受診し、約8万人が入院しているとの報告もあります。また脱水症だけでなく、繰り返すけいれんや脳炎・腎障害など重い合併症を起こすことがあるため注意が必要です。

予防方法は?
ロタウイルスワクチン(定期接種・生ワクチン)を飲むことによって予防ができます。感染してしまうと根本的な治療法はありませんが、ワクチンで重症になるのを約90%防ぐことができます。 当院で採用しているワクチンは生後6週から接種(内服)ができ、4週間隔で2回接種します。生後24週を過ぎると接種ができなくなるため、初回はできれば生後2か月時(遅くとも生後3か月半過ぎまで)に接種することをお勧めします。

ロタウイルスワクチンによる副反応は?
世界中で接種や調査が行われ、安全性については一定の評価がされているワクチンですが、初回接種から約1か月間は腸重積(腸に腸がはまり込む病気)のリスクが増加する可能性があるとの報告もあります。これらの期間は腸重積を疑う症状(繰り返す腹痛・嘔吐・不機嫌や血便)に注意してください。
その他、接種後に一過性のぐずつきや下痢・咳・鼻水などの副反応も報告されています。

B型肝炎とは
どんな病気?

B型肝炎ウイルスに感染すると、慢性肝炎から肝硬変・肝臓がんへと進行する場合もあります。
非常に感染力が強いウイルスで、B型肝炎を持った母親からの分娩の時に子どもに感染したり(母子感染)、父親や家族・友人、ウイルスに汚染された血液の輸血や性行為などでの感染(水平感染)が知られています。しかし特に子どもの場合は原因不明のことが多いとされます。 知らない間に感染した家族などから子どもへの感染も珍しくありません。

重症になると?
稀ではありますが、急性発症した肝炎が急激に非常に重篤になることがあります。劇症肝炎と呼ばれ、命に危険が及びます。慢性化して適切な治療をしないと子供でも肝硬変、肝臓がんへと進展することがあるため注意が必要です。

予防方法は?
B型肝炎ワクチン(定期接種・不活化ワクチン)で予防します。B型肝炎の予防により、劇症肝炎や肝臓がんを予防することができます。
生後2か月から合計3回(1回目から4週間後に2回目、20~24週後に3回目)の接種が推奨されています。

B型肝炎ワクチンによる副反応は?
だるさ、発熱や接種部位の痛みなどが報告されています。
問題となるような副反応の頻度は極めて低いと言われています。